Morita Lab blog

研究室のニュースやトピックスなどを紹介します

2019.11.30 メディカルサイエンスフォーラム

11月30日に弘前大学医学部が主催した「メディカルサイエンスフォーラム」にランチョンセミナーの講師として招待して頂きました。「細胞外小胞形成の分子機構」というタイトルで、ウイルス粒子の形成に関するこれまでの研究内容からエクソソーム形成に関する最新の研究内容まで、医学系研究科の先生方の前で通して話をする機会を頂きました。我々が取り組んでいる研究を多くの先生に知って頂く機会を持つことができたというのは大変大きなことです。このような機会を与えて下さりましたオーガナイザーの先生方に感謝申し上げます。

外部の方も含め、医学系研究科の先生方のシンポジウムを聴くこともできました。大変、興味深い内容の講演ばかりでした。医学研究科長の若林先生の最後の締めの挨拶で仰っていましたが、どの発表もストーリーが明快で、スッキリしていて美しいんですよね。それはなぜなのか。たぶん、患者さんを治すという目的がハッキリしていて純粋だからなんだと思います。

実は、弘前に来て5年経つのですが、ちゃんとした講演をしたのはこれで2回目です。1回目は昨年の夏に牛田先生が主催した国際シンポジウム。そちらは英語での発表で、時間もそんなに長くはありませんでした。それに対して、今回のは50分とたっぷり時間を頂けくことができて、バックグラウンドから時間をかけて説明することができました。ありがたかったです。阪大にいたときは、毎年研究成果を発表する機会があり、それはそれで結構しんどかったのですが、こんなに発表の機会が少ないと逆にこれで良いのか!?と不安になったりもします。

我々の研究室からは石田、瓜生、木村のM2の3人が演題を出しました。そして瓜生くんが奨励賞を受賞。みなさん発表お疲れ様でした。あとは修論を残すのみ。頑張ってください。

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2019.11.29 豪華なレセプション

オステリア・エノテカ・ダ・サスィーノにて医学系研究科の先生方と会食。翌日のメディカルサイエンスフォーラムの歓迎レセプションです。自家製のワインに自家製の食材を使った料理の数々堪能しました。

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多くの医学系研究科の先生方とお話しし大変有意義な時間を過ごすことができました。

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2019.11.26 第三回オルガネラゾーン研究会

若手の会の翌日と翌々日は、東京大学にて開催された第3回オルガネラゾーン研究会に参加しました。こちらは若手の会とは異なり、領域内外のPIの先生方(140名の参加者と聞きました)による研究会です。こちらの研究会では私はシンポジウムの演者としての機会を頂きました。数年前より解析を続けてきたフラビウイルス複製オルガネラの形成に関する研究について話させて頂きました。こちらの研究ですが、現在、ようやく論文としてまとめる段階まできました。今回の発表は、かなりまとまったストーリーでしたので、正直とても話し易かったです。多くの先生方と内容について深く議論でき、これから論文を投稿する上でとても参考になる意見をたくさん頂きました。大御所の先生方の前で発表する機会を頂けたのは本当に研究者冥利に尽きます。このような機会を頂けて本当に感謝しております。

丸2日間詰まったスケジュールの中、多くの最先端の研究に触れることができ、また多くの先生方と接することができ大変刺激になりました。この気持ちを忘れずにまた日々の研究生活に戻りたいと思います。

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会場の東京大学農学部弥生講堂↑

 

2019.11.25 新学術領域の若手の会を開催しました

新学術領域「オルガネラゾーン」では、毎年若手スタッフや大学院生を対象とした「若手の会」を開催しております。今回、森田ラボが若手の会のオーガナイザーを務めさせて頂きました。会場は領域代表の清水先生が所属する東京医科歯科大学の講堂を使用させて頂きました。教育講演には東北大学の福田先生をご招待しました。80名程度の参加者があり、皆さん大変素晴らしい研究発表をされ、また、質疑応答の時間には活発な議論が交わされ、無事に盛況のうちに終えることができました。春先より準備を始めてこの度ようやく開催まで漕ぎ着けたのも、助教の後藤さんと清水研の秘書の深堀さんのおかげです。大変感謝しております。

私の研究室からは、大学院生の荒川くんと瓜生くんと石田くんが発表しました。石田くんは口頭発表。緊張していたようですが、たいへん素晴らしい発表をされていました。おつかれさまでした。同じ研究分野で日々研鑽を積んでいる大勢の若手の前で発表するというのはある意味勇気がいることだったと思います。でも、こういう経験を積めば積むほどその先に見えてくる世界があります。今後もどんどん場数を踏んで研究者への道を歩んで行って欲しいと思います。

 

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石田くんの発表の質疑応答のときの様子↑

2019.11.18 お祝いして頂きました

ラボのメンバーにサプライズで誕生日のお祝いをして頂きました。最近は体力の衰えを感じることが多く、40代半ばとはこういうものかと実感しております。時が過ぎるのが早く感じます。

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2019.11.15 帰国

中国から日本に帰国しました。本当は4日間のハズだったんですが(完全なるこちらのミスで)1日早い出発となり、結果的には5日間の旅になってしまいました。急遽、講義を休講にせざるをえなかったりとか、いろんな方に御迷惑をおかけしました。

今回ホストとなって下さったBin Zhou先生は、私達がこれまでに焦点を当てきた研究内容ととても近い内容に興味をもっており、この交流を通して彼らの研究をより前に進めたいとのことで招待されました。滞在を通して、彼らのそんな熱意がものすごく伝わってきました。果たして自分の訪問がその一助となったかどうかは定かではありませんが、、、。ただ、はっきり言えるのは、少なくとも自分にとってはとても刺激になったということです。とにかく、彼らのエネルギーがすごい。Zhou先生もさることながらZhou先生の下についている学生のハングリー精神がハンパではありません。とにかくこの機を逃すなとばかりに矢継ぎ早に質問を浴びせられました。研究の内容ばかりではなく、どうやったらアメリカに留学できるのか?とか、日本の学生はどんな感じなのか?などなど。みんな夢と希望と好奇心で目をギラギラと輝かせていました。この熱意には敵いません。

私が訪れた南京農業大学は中国では2番目に大きい農学専門大学で学生数4万2千人、キャンパスの広さや建物の数の多さは弘前大学の比ではありません。ラボを見学させて頂きましましたが、設備は日本と何ら変わりません。顕微鏡も最新のNikon超解像が。セルソーターに質量分析、P3ラボなど全て揃っています。Zhou先生の研究費も自分が獲得している研究費の総額と大して変わりません。どうしてこれで発展中と言えるのでしょうか。

中国にて印象に残ったことを羅列します。

「研究スペースが狭い」キャンパスは広いのになぜか研究室は狭かったです。Zhou先生のラボが人気で多くの学生が集まっているというのもあるのかもしれませんが、学生1人に対して机が1つ与えられているわけではありません。とにかく、人が多いという印象を受けました。NatureやScienceを書いたらもっと広いスペースがもらえるんだと仰っていました。徹底的な成果主義です。

f:id:moritae73:20191117113005j:plain←ラボの様子

インパクトファクター」をとても気にしている。とにかくインパクトファクターは5がボーダーラインなんだとか。5以下だと業績として認めてもらえないようなことを言っていました。JVIは最近5以下になったのでもうあまり価値はないそうで、今はPlosPathogenか、mBioなんだとか。そうかなぁ?と思ったり。

f:id:moritae73:20191117112842j:plain←大学構内

「1年のアメリカ留学」多くの教授の先生方と面会する機会がありましたが、みんなアメリカ留学経験があります。しかし、なぜか口を揃えて答えるは、その期間がたったの1年間だということ。理由は単純です。教授のポジションを得るにはルールとしてアメリカ(他の国ではダメだそうです)留学が必須であるということ。そして、1年間、給料とポジションが補償されたサバティカルのチャンスが与えられるとのこと。アメリカ留学至上主義。

f:id:moritae73:20191117113220j:plain←明孝陵

「管理社会」あらゆる場所にカメラがあります。そして(ちゃんと機能しているとは言い難い)セキュリティーゲートがあらゆるところにあります。大学のゲートにも顔認証カメラがあり、博物館などの観光地への入場にはパスポートが必要です。安全のためなのかもしれませんが、本当に必要なのか、それよりもプライバシーの方が重要なような気がしますが。基本的にみんな慣れているようです。

f:id:moritae73:20191117113758j:plain←中山陵

「通販がすごい」今回訪れたのが11/11という年に一度のセールの日の後ということで、キャンパス内の学生寮には至る所に通販で購入したと思われるものが山積みされ、そしてそこに学生が集まってきていました。

f:id:moritae73:20191117113255j:plain←キャンパスの通販ピックアップステーション

「現金が使えない」みんなスマホか顔認証で支払いを済ませています。便利そうではありますが、登録できない短期ツーリストはどーすればいいのか。とにかく合理主義が徹底しています。みんなが使っているのアリペイかウィーチャットペイかの二択。金の動きと消費動向は完全に監視されています。

f:id:moritae73:20191117114020j:plain←夫子廟周辺

「電気バイクが怖い」歩道を無音でビュンビュン飛ばして走るので、何度もぶつかりそうになり、、。電気バイク、免許いらないそうです。昔はエンジンを積んでいたと思われる改造電気バイクが物凄い数走っています。

f:id:moritae73:20191117114334j:plain←南京農業大学キャンパスの一部

「チキンよりもダック」必ずアヒルを使った料理が出てきます。逆にニワトリを使った料理は少なかったような。北京ダックをたくさん食べました。日本では高級中華ですが、庶民的な値段でた食べることができます。

f:id:moritae73:20191117113122j:plain←北京ダック、これで1000円程度