Morita Lab blog

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2019.9.5 博士課程について

今週、岩手大学連合大学院の入試委員会と教授会に出席するために盛岡に行っていました。本研究室からも修士課程の学生が博士課程に進学する予定です。

直接は関係ありませんがそれに関連して少し書きます。9月6日付けの新聞に日本の博士課程進学率の低さに関する記事が掲載されていました。日本の博士号を取得した人の人数が人口100万人あたり118人であり、この数字はアメリカや韓国の半分以下で、2000年度よりも減少しているのは日本だけだ、ということです。まあ確かに大学院博士課程進学者は少なくなっているなあと実感しております。その理由は明確で、1)博士号を取得しても民間企業に就職先がない、2)アカデミックなポジションの多くは任期付、という二つのイメージに集約され、これが安定性を求める今の学生にとってはネガティブに見えるということです。まあどちらも間違ってはいません。ただ、個人的な意見ですが、どちらも補足が必要ではないかと思います。まず1)に関しては、「博士号を取得しても”分野が合致していなければ”民間企業に就職先がない」ですし、2)に関しては、「アカデミックなポジション”に限らず研究職”の多くは任期付”に移行しつつある”」ということだと思います。いろんな企業の方と話をすれば、博士の需要はどんどん増えているような気がします。そして、最近は、専門職になればなるほど終身雇用の制度が適用されなくなりつつあるような気がします。ちなみに、米国を含めグローバルな社会では、博士号を持っているかどうかは研究職のポジションを得る上で既に必須の条件となっています。

ただ、グローバルな視点に立っていない保守的な企業の中では博士号はあまり役に立たないかもしれません。その辺をどう捉えるかではないでしょうか。博士号を取得するのはそれなりに大変です。博士課程に進学しても一定の基準を満たしていなければ学位を取得することはできません。そこにはかなり厳格な基準があります。でもそれをクリアできたらそれなりの果実はあります。やっていけると自信のある学生は是非チャレンジをしてみてはいかがでしょうか。

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