Morita Lab blog

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純粋に生物学として面白い

国立感染症研究所の小川道永先生にご招待頂き第94回日本細菌学会総会のシンポジウムにて講演しました。ウイルス学のフィールドでずっと研究を続けて来た自分としては、細菌学は全くの異分野に相当します。他の先生方の発表、とても興味深いものばかりで大変勉強になりました。理学系の分野では、バクテリアは自立的な増殖が可能であることから、単純な生命のモデルとしてよく用いられていますが、医学系の分野ではそれとは少し異なります。細菌にはウイルスよりもずっと複雑な遺伝子構成を持った寄生性病原体という側面があり、決して単純な生命体ではなく、我々ヒトを含む宿主動物(の細胞)と分子レベルで密接に関わりながら独自の戦略を持って生存している高度な生命体であることが徐々に明らかになりつつあります。そんな分子レベルでの共生のメカニズムが明らかにされるのを見ていると、ホント生命って上手い具合にできているなあと感じます。バクテリアと真核細胞との共生の分子機構、まだまだ未知の分野です。不思議な現象がいっぱいあります。純粋に生物学として面白い分野です。今後も研究の進展に目が離せません。

 

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