Morita Lab blog

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C型肝炎ウイルスのコアタンパク質に関する論文が掲載されました

かつて修士課程の大学院生として所属していた泉田さんの論文がJournal of Virological Methodという雑誌に掲載されました。C型肝炎ウイルス(HCV)のキャプシドタンパク質であるコアタンパク質を大腸菌を用いて発現させて精製する方法を確立した、という内容の論文です。様々なウイルスタンパク質の結晶構造やNMR構造が明らかになるなか、HCVのコアの構造は未だ不明です。それはなぜか。誰も精製に成功したことないからです。正確にいうと、ウレアなどの変性剤を用いて可溶化したのち、再びフォールディングさせるという方法によって精製した、という報告はあります。しかし、この再びフォールディングさせるという方法は、元の構造を維持しているかの保証がどこにもありません。やはり、変性剤を使わずに、細胞の中でフォールディングしたままの状態で単離・精製する必要があります。我々はこの方法を世界で初めて確立することに成功しました。

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov