本来ならば大津プリンスホテルから琵琶湖の景色を眺めていたはずが、、、というお馴染みの書き出しで申し訳ありません。本年度から新学術領域「マルチモードオートファジー」の公募班に入れて頂きました。その班会議が滋賀県大津で開催されるはずだったのですが、これもオンライン開催になってしまいました。この3日間、朝から晩までずっと自分のデスクに座りオンラインで班員の先生方の発表を聞いていました。これがまた興味深い内容ばかりで、いつものことながら勉強させて頂きました。本当に貴重な機会でした。この3日間で我々の研究について進めるべき方向性がより明確になったような気がします。そして、やはり基礎研究は面白い。来年の班会議に向けて頑張ります。
2020.10.22 前から欲しかったもの
ラボの培養コーナーのルーティン顕微鏡にモニター付きカメラを取り付けました。これ、前からずっと欲しかったんですが、緊急性がないということで後回しにしてきました。高価な顕微鏡にはどれも良いカメラがついていますが、ポイントはルーティン顕微鏡に付ける、というところです。細胞の調子を複数人数でちょっと確認するときに、目的の細胞を視野の真ん中にセットして「ほらこの細胞を見てごらん」と席を譲って相手に見せる、しかし、相手が本当にその細胞を見ているのか、譲ってしまった自分にはわからない、、、、というのは、顕微鏡観察のときのアルアルです。しかし、このモニタがあればそんなとしなくても「ほらこの細胞を見てごらん」とモニターを指差すことで一発解決。意思疎通できます。なんと便利なことか。これは教育機関でもある大学のような現場には必須ですね。もっとい早くから導入しとけばよかった、と思います。
2020.10.13 一歩前進することを期待する
血球計算盤に乗せた細胞の数を顕微鏡を使ってカウントするという作業は培養細胞を扱う人間にとって基本中の基本です。もちろん随分と前から自動セルカウンターなるものが存在ことは存じていましたが、もはや古い人間の部類に属する私は、そんなのはいらんと知らぬふりをしてきました。が、とうとう学生の声に推されて買ってしまいました。ThermoのCountess II。ただ、単純に細胞数をカウントするだけのマシンは導入したくなかったので、GFPとRFPの蛍光を同時に測定することができるフィルターをオプションで付けてもらいました。これは使えそうです。なぜならGFPやRFPを発現する細胞の割合とそれぞれの細胞の蛍光強度まで瞬時にカウントしてくれるわけですから。いつもだったら「だいたい50%くらい光ってます」という学生からの報告から「だいたい」という曖昧な表現が消えるわけですから。それは一歩前進と言えるのではないでしょうか。
2020.9.30 壮行会・カレー・お祝い
明日から後期の授業が始まります。この大学では後期からは全面的に対面授業を行うことになっています。前期のオンライン授業に文句たれていたみんなも、実際に講義室に出向かなければならない状況になるとまたそれはそれで面倒だという心理が働いているようです。なんとまあ身勝手なことか(しかし気持ちはわかります)。ということで、新学期開始に向けた壮行会を兼ねて、みんなでカレーを作って食べました。米1.5升あっという間にたいらげ、追加で8合炊くという。若者たちの食欲はハンパありません。
それから、本研究室の博士課程の学生がひとり来年度からの日本学術振興会特別研究員に内定しました。そのお祝いも兼ねて、ということでしたが、、。学部学生の方達はあまり知らないかもしれませんが、博士過程に進学すると日本学術振興会特別研究員への応募が可能となります。採用された場合、月額20万円の給与と年間150万円の研究費が支給されます。国から給与をもらいながら博士号を取れるというシステムです。採択率はそんなに高くありませんが、宝くじに当たるよりはずっと高い確率で採択されます。皆さん目指してみては如何でしょうか。採択されるためのポイントはたった一つです。学部4年からM1にかけて研究に集中し優れた業績をあげること。もちろん応募の意志のある学生に対してはこちらも全力でバックアップします。
2020.9.29 圧倒的な使いやすさ
本日研究室に液体クロマトグラフィーシステム「AKTA go」が納品されました。これまでは私が研究室を立ち上げた9年前に導入した「AKTA prime」 使ってきましたが、ここ最近の使用頻度からもう一台必要であると判断し、後継機となるAKTA goを購入しました。AKTA primeは数行の表示メニューで操作しなければならず初心者には扱いにくい機器でしたが、新しいAKTA goのユーザーインターフェースは大幅に改善されており、誰もが簡単に操作できる仕様になっています。説明会を開いていただき、その使いやすさにみんな感動していました。そしてこの新しいマシンは5MPaの高圧に耐えるため、圧倒的に早い流速での解析が可能となっています。Sカラムを使ってのデモンストレーション、わずか10分でタンパク質の分離が終わるという、その驚きの速さにも感動。タンパク精製は経験がものを言います。たくさん経験を積めばどんどん上手くなります。そしていろんなタンパクを綺麗に精製してみて初めて見えてくる生命現象というものがあります。みなさんこの優れたマシンを使ってたくさん実験して良い経験を積んでください。