Morita Lab blog

研究室のニュースやトピックスなどを紹介します

まさかの1面記事

先週、地元紙である東奥日報から取材を受けました。採択されたAMED(日本医療研究開発機構)課題の内容についてです。1時間程かけて説明させて頂きました。その後、やり取りの中でできるだけ大きくインパクトのあるよう掲載します、という連絡を受けていましたが、まさか1面に掲載していただけるとは、、。後ろの方の社会面に掲載されるものだとばかり思っていましたので、少し気恥ずかしいです。

ファイザーやモデルナのワクチンが投与され始めているなか、今ごろコロナウイルスワクチン開発??遅れてるんじゃないの?と思われる方もいるかもしれませんので、少しだけ補足します。

我々が提唱し研究開発をしているのは、次の時代を見据えたこれまでにない新しいワクチンの概念です。この20年間ずっとウイルス粒子が細胞内でどのように形成され細胞外に放出されるのか研究してきました。現在、これまでの解析でわかってきたウイルス粒子形成に必要なパーツを、ウイルス以外の天然蛋白質ナノ粒子に装填し、ウイルスのような人工ナノ粒子を作ろうとという試みを行っています。この人工ナノ粒子は、ウイルスのように免疫系に捕捉されやすいため抗原性を発揮します。また、ウイルスのように安定で、しかも細胞質の中に入って行きます。ですので、安全でしかも効果的に抗ウイルス免疫を惹起させる機能を持つワクチンに最適なのです。この研究は新型コロナウイルスの流行以前より始めていました。たまたま、このウイルスの流行が社会的インパクトとなり、我々の研究が役に立つ可能性が出てきたということです。

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